技術資料

プリント基板の外層配線の100GHz伝送特性

1.はじめに

 データセンタやサーバー用途のプリント基板では、1差動対あたりの信号伝送が28Gビット/秒(論理値が0と1の2値の場合)、56Gビット/秒(論理値が0,1,2,3の4値の場合)のように高速化の一途をたどっています。また、近年ではミリ波レーダー向け等で、60GHz以上の高周波帯でもプリント基板の利用が進んでいます。このような用途では、100GHzまでの伝送特性を評価、把握しておくことが設計上重要と考えられます。
 本検討では、信号導体用の外層銅箔の粗さや、これを被覆するソルダレジスト、およびソルダレジスト被覆が無い場合の表面処理の違いが100GHzまでの伝送特性に及ぼす影響を検証しました。

2.方法

 評価基板の概観を図1に示します。

 

図1 評価基板

 

配線長60mm、両端に同軸コネクタが接続される構成であり、コネクタからの引き出し部(5mm)の特性を除去(ディエンベディング)して、50mm当たりの伝送特性(S21)を評価しました。

ここで、外層信号導体の被覆仕様は以下の4種です(図2)。

 

図2 外層信号導体の被覆仕様

 

(1)ソルダレジスト
(2)無電解金めっき(下地:ニッケル)
(3)無電解金めっき(下地:ニッケル+パラジウム)
(4)有機被膜

 

また、外層銅箔の表面粗さが微細なロープロファイル銅箔の効果についても検証しました。

3.結果

S21実測結果の例として、図3にソルダレジスト被覆無しの場合を示します。

 

 図3 S21測定結果(ソルダレジスト被覆無しの場合)

 

有機被膜処理(フラックス)の場合が最も損失は小さく、下地がニッケルのみの無電解金メッキ(金フラッシュ)の場合が最も大きい結果でした。ニッケル(磁性体)の損失が大きいことを示しています。この他、汎用ソルダレジストによる被覆の場合には無電解金めっきに比べて約30%損失が増加する傾向や、ロープロファイル銅箔を用いることで約10%損失が低減する傾向などを確認しました。

 

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