技術資料

28Gbpsシリアル伝送の実機検証

1.まえがき

 通信分野では、1チャネル当たり25Gbpsレベルの伝送が、信号補償技術と伝送路技術の進歩に伴い既に実用化されており、現在は56Gbpsや112Gbpsの実用化へ向けた検討が積極的に行われている。

一方、汎用インタフェースにおいても、PCI Express Gen4 (16Gbps)が規格化され、Gen5(32Gbps)が検討され始めている。また、業務用放送機器市場では24G-SDI(23.76Gbps)の規格化が進められており、特に医療・産業用映像伝送の分野では1チャネル当たり20Gbpsを超える信号伝送が実用化される可能性がある。

 プリント基板において高速信号伝送を実現するための最重要課題は、伝送線路の損失低減と反射低減による透過特性の確保である。前者は伝送路が長い場合に特に重要であり、低誘電率・低誘電正接基材の使用による誘電損失低減と、信号配線幅の拡大や銅箔表面の平滑化による導体損失低減により実現している。後者はビアや部品実装用パッド部位を含む伝送路全体のインピーダンス整合により実現している。

 今回、28Gbps送受信可能なFPGAを用いて、伝送評価用のボードを開発し、伝送評価を行ったので報告する。

2.評価ボード

 評価ボードのブロック図を図1に示す。FPGA搭載メイン基板1台とオプション基板2台で構成される。FPGAは最高28Gbps送受信可能なGTYトランシーバを搭載しているXilinx製のXCKU15P-2FFVA1760(Kintex UltraScale+)を用いた。伝送経路としては、次の3経路に対して評価を行った。

1つ目は、FMC+規格対応アレイ型コネクタとしてASP-184329-01/ASP-184330-01(SEARAY)を使用したボード間のループバック試験。

2つ目は銅ベースのツインナックスケーブルとしてECUE-08-020-T2-FF-B4-1-D1(FireFly Copper)を使用したループバック試験。

3つ目は、バックプレーン向けプレスフィット型コネクタであるEBTF-4-10-2.0-S-RA-1/EBTM-4-10-2.0-S-VT-1(EXAMAX)を使用したボード間のループバック試験である。

プリント基板の材料はメイン基板が低損失材料(Megtron6)、オプション基板が一般FR-4である。

 

図1 評価ボードのブロック図

 

図2 評価ボードの外観

3.実験結果

 まず、FMC+コネクタ経由の基板間伝送結果について記載する。FPGA搭載メイン基板+オプション基板で300mm前後である。FPGAの出力条件は差動振幅=846mV、ディエンファシス=0dBとし、受信側イコライザ条件はDFEなし(CTLEのみ)の条件で行った。FMCP[0:3]経路のBER測定結果を図3に示す。全ての経路でリンクアップを確認し、BER10-12を得ることができた。一方、チャネル毎のBER開口には差異があり、パターン設計の違いが伝送品質に影響することが分かる。

図3 FMCP経路のBER測定結果

図3 FMCP経路のBER測定結果

 

 次に、FireFly銅ケーブル伝送結果について記載する。FireFlyケーブル長は200mm、FPGAからFireFlyコネクタ間の基板配線は往復で100mmであり、総300mmの伝送路である。FPGA出力条件はFMCPの場合と同じである。FireFly[0:3]経路のBER測定結果を図4に示す。全ての経路でBER10-12を得ることができた。また、FMCP経路と比較して、2倍以上のBER開口を得ることができており、メタルケーブルを用いた長距離伝送の可能性について検証できた。

図4 FireFly経路のBER測定結果

 

 最後に、EXAMAXコネクタ経由の基板間伝送について記載する。配線長はメイン+オプションで300mm、FPGA出力条件はこれまでと同様である。EXAMAX[0:3]経路のBER測定結果を図5に示す。この場合も、BER10-12を得ることができており、良好な通信を確認した。

図5  EXAMAX経路のBER測定結果

4. まとめ

 28Gbpsシリアル伝送可能なFPGA搭載ボードを開発し、コネクタ経由の基板間伝送やメタルケーブル伝送を実現した。なお、プリント基板のパターン設計が伝送品質に大きく影響するため、この最適化が重要である。

 

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