課題

EMSというサービスが世界的に拡大しています。その世界市場規模は、2015年には4,885億ドルに達し、今後も年率6%で順調に成長すると予測されています。このようなEMSの急速な成長を背景に、電子機器メーカーの間では、製造をEMSに委託する水平分業モデルが広がっています。
一方で、わが国の大手電機企業では垂直統合モデルを続けたところが多く、結果的に生産コストが高止まりして価格競争力を喪失していった経緯があります。原因としては、自社の機器部門の要求に応える形で高品質の中核部品を開発・製造し、他社に作れない機器を生み出すことを狙った戦略を採用していたためです。この戦略は、対象機器の市場が成長段階にあるときには、中核部品を内製化することで先行者利益を享受することができます。しかし、デジタル機器では技術移転が速いため、予想以上に早く他社にキャッチアップされてしまい、基幹部品を自社で製造していると、高コストになる傾向にあります。

当社のご提案

1. 量産性を追求した設計・開発

図1. グループ内対応図

 

お客様の製品開発と同時に、量産しやすい構造のご提案を行い、開発期間の短縮やコストを抑えた高品質な量産を実現させます。当社グループが行う主な提案内容は以下の通りです。

 

（１）製品開発時にお客様の要望を確認し最適な部品レイアウトとして、量産しやすい構造のご提案を致します。

（２）放熱、モジュール化等の要求にもお応えし、固有技術としての生産方法をご提案致します。

（３）低価格、ロングライフ、短納期部品のご提案を致します。

（４）低価格、納入先、またBCPを考慮した海外生産拠点をご提案致します。

（５）お客様の製品要求機能に対する電気検査装置をご提案致します。

（６）電子部品実装基板としてだけではなく、製品組立までの一貫生産受託に致しましてもご提案致します。

 

なお、ISO9001、14001は全生産拠点（日本及び海外）で取得している他、TS16949（シンセン工場）、ISO13485（日本及びベトナム工場)を取得しております。

 

2. 量産時の在庫や物流等、管理の合理化

当社グループでは日本国内だけの対応だけでなく、例えば日本国内で試作を行い、海外工場で量産対応をして、国内外を問わずお客様の指定場所へ納入することが可能です。

 

（１）構成部品については日本で部品表を作成する際に入手性を確認します。そのうえで海外量産時に現地調達しやすい部品選定を行っています。また各生産拠点ではそれぞれ購買機能も持っていますので、当グループで部品手配、在庫管理も可能です。

（２）海外生産を行いたいが小ロットであり委託先が見つからなかったような場合について、お客様の目的・需要に合わせて最適生産数量、合法で最適な商流・物流をご提案いたします。

（３）日本で試作実装を行った結果は「試作カルテ」を使用して実装上のポイントや設定を海外実装工場（生産移管先）へ展開し、海外でのスムーズな量産立上げを実現します。

図2. 部品在庫管理

図3. 試作カルテ

 

3. EOL（構成部品のメーカーによる生産中止）対応

試作から量産までの生産を一貫して対応する場合、以下対応を行っています。

 

（１）電子部品の見積取得時に「生産終了」or「非拡販品」であるかどうかの情報を取得し、問題がある部品については「代替品」への変更を試作のアートワーク設計時点でご提案できます。

（２）量産開始後は、該当部品のメーカーからの連絡をもとに、必要な情報を当社グループにてとりまとめたうえで、お客様のご要望に沿ったフォームで情報を展開致します。

（３）連絡用フォーマットとして「変更申請書」を制定しておりますが、この申請書の御回答をもとに部品表の変更を致します。

結果

以上により、単純な製造受託サービスだけでなく量産性を追求した設計・開発、量産時の在庫や物流等、管理の合理化、EOL（構成部品のメーカーによる生産中止）対応により、品質の良い商品をリーズナブルな価格で提供できる体制を整えています。

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