技術資料

ビアスタブのバックドリル工法による伝送特性の改善

1.はじめに

 近年、データ通信速度の飛躍的な高速化にともない、速度や伝送距離によっては光配線が必要といわれている。 

 一方で従来の銅配線による高速伝送対応も進んでおり、半導体デバイス間の信号の入出力は差動伝送で28Gbps、シングルエンド伝送で12Gbpsが実用化されはじめている。

 

 このような高速な信号入出力のある半導体デバイスを適切に機能させ、伝送波形やリターンロスの仕様に合致させるためには、信号の送り側(Tx)と受け側(Rx)との間の基板配線、コネクタ、ケーブル等で構成される伝送線路のインピーダンスの整合と損失を小さくする必要がある。

2.ビアスタブの伝送特性

  一般的な伝送線路では、信号のレイヤ間切り替えを行うビア、複数の基板をつなぐコネクタ、パッケージの接続部分がインピーダンス不連続を引き起こしており、このうちでプリント基板設計と製造で制御できるのはビアに限られる。
 差動伝送において、スタブがないビアモデル、スタブがあるビアモデルを作成し、インピーダンスを比較した。 

  その結果、ビアスタブがある伝送路の場合、インピーダンスが大きく低下している事が分かる。なお、ビアスタブがあったとしても、そのビアのインピーダンスコントロールを設計技術で改善することは可能である。(図1-A)

  一方で、伝送損失の面から比較すると、ビアスタブがある場合、たとえインピーダンス整合をしているビアであっても、そのスタブ長が1/4λに相当する周波数でアンテナとなり、共振が発生し、結果として伝送損失が著しく低下する。(図1-B)

 

3.バックドリル工法によるビアの伝送特性の改善

 ビアスタブの伝送特性改善として、スタブを除去するバックトドリルが一般的である。バックドリルは、プリント基板の表面から信号配線層までの深さを制御し、ドリルでスタブを切削除去する工法である。一例として第1層(表面)と第3層を接続するビアを対象とし、スタブ除去前後でのインピーダンス特性および伝送特性の比較を図2に示す。ビアスタブの除去は裏面から第4層目までを実施した。

 

 バックドリル工法によるビアスタブ除去により、15GHz以上の周波数において20dB程度伝送特性を改善することができ、ビアが無い表層(表面)と表層(裏面)を接続するビアを含む伝送特性と同等のものが得られた。

 

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