技術資料

パワー半導体搭載ボードのノイズ低減を実現する設計・解析手法

1. はじめに

 パワーエレクトロニクスの分野では、雑音端子電圧の規格合致が製品開発上の1つの問題として挙げられる。これは、パワー半導体のスイッチングに伴う急峻な電圧・電流の変化がプリント基板内を伝播し、入力端子や出力端子に出現することが原因である。

 

 伝播するノイズは2種類あり、1つはノーマルモードノイズで、インバータなどのパワー半導体のスイッチングにより現れるノイズ成分である。もう1つはコモンモードノイズであり、先のノーマルモードが伝送線路を伝播していく過程でラインとアースとの間に発生するノイズ成分である。これらのノイズ伝播を抑えるには、基板の配線間の結合を最小にするパターン設計が必要である。

 

 そこで、電源レイアウト間の結合量を評価するため、Ssd21およびS21というSパラメータに関する2つの表記を導入することとした。このパラメータを用いて、雑音端子電圧の低減を図る新しいパターン設計手法について検証したので報告する。

2. 評価基板での検証

 電源の配線層と配線幅の異なる2種類の4層基板(板厚1.6mm)、基板を作成した。基板の電源レイアウトを図1に示す。

 

 

 基板は、電源の配線幅が全体的に太く、三相入出力電源R、S、T、U、V、W、インバータ電源端子P、Nが層間で重なるように設計したものである。

3. 結果と考察

 基板のインバータ電源端子PNから三相入力電源端子R、S、 TへのSsd21について、実測とシミュレーションの相関を検証した。結果を図2に示す。

50MHz近傍までよく一致しており、実測とシミュレーションに相関があることがわかる。

 

 次に、インバータ電源端子Pから入力電源端子R、 S、 TへのS21について、実測とシミュレーションの相関を検証した。結果を図3に示す。

Ssd21と同様、実測とシミュレーション結果の高い相関が確認できる。

 

 以上より、シミュレータが出力するSパラメータの信頼性は高く、パターン設計段階におけるSsd21・S21解析により電源レイアウトの最適化が可能といえる。

 

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