プリント基板総合メーカー|RITAエレクトロニクス株式会社 > 事例紹介 > DDR5-SDRAM対応BGAプローブアダプター
観測点が準備されていないDDR5搭載ボードにて波形を測定したい
最新のDRAM規格であるDDR5-SDRAMに対応したFPGAが市場に出始めており、産業機器などさまざまな分野での活用が期待されています。
しかし、これらを使ったプリント基板を開発する際、信号波形を評価しようとしても、測定するための観測点がない場合、実際に測ることができないという問題が発生します。特に、IVH構造やビルドアップ構造の基板を使う場合、この問題は避けられません。
この問題を解決するために、弊社では「高速DRAMの波形を測定するためのインターポーザ(BGAプローブアダプターとスペーサー)」を販売しています。
この製品の概要と、実際にどのような場面で使われているかをご紹介します。
弊社では、DDR5メモリ(x8およびx16タイプ)に対応した「BGAプローブアダプター」と「スペーサー」を用意しています。主な仕様は「表1」にまとめています。
表1 仕様一覧
BGAプローブアダプターは、高速なDRAM(メモリ)の信号波形を測定するための専用基板です。スペーサーは、DRAMの周囲に他の部品がある場合でも、アダプターを少し持ち上げて取り付けられるようにするための補助基板です。
このアダプターをマザーボードと測定対象のDRAMの間に挟むように取り付けることで、信号波形の測定が可能になります(図1にイメージあり)。
図1 測定イメージ
この構成により、すべての信号の波形が観測可能となります。また、オシロスコープの観測点移動機能を使って、測定パッドで取得した波形を、実際のDRAM内部(Die)に対応させて確認することも可能です。
そのために必要なプローブアダプター、およびスペーサーの伝送路情報(Sパラメータ)も提供しています。
DDR5 SO-DIMMを対象とした信号波形の測定と観測点の移動を行った事例をご紹介します。
測定に使用したSO-DIMMの型番はMTC8C1084S1SC48BA1、DDR5メモリはMT60B2G8HB-48B:A、動作速度は4800Mbpsです。
この測定では、SO-DIMMの基板とDDR5メモリの間に「BGAプローブアダプター」と「スペーサー」を挟んで取り付けることで、波形の測定が可能になりました(図2参照)。
図2 測定時の状態
測定は、キーサイト・テクノロジー株式会社の協力を得て、同社の高性能オシロスコープ(Keysight Infiniium UXRシリーズ)を使用し、行いました(図3)。
図3 オシロスコープ(Keysight Infiniium UXR-Series)
具体的には、DQ信号の「Write」の波形として、観測点移動する前と後で比較したアイパターンを図4に示しています。
図4 DQ信号のアイパターン(左:観測点移動前、右:観測点移動後)
このように、BGAプローブアダプターとスペーサーを使うことで、通常は測定が難しい基板でも波形の取得が可能になり、さらにオシロスコープの機能を使って、測定した波形をDRAM内部の信号に対応させることで、より正確な品質評価ができることが確認されました。
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観測点がないDDR5搭載ボードの波形測定を実現
DDR5用のBGAプローブアダプターとスペーサーを使用することで、DDR5に波形観測点が準備されていない基板の波形測定が可能になりました。さらに、オシロスコープの観測点移動機能を使用することにより、DDR5内のDie波形で波形品質を評価することができます。
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